なぜ、営業なのにU.S.CPA(米国公認会計士)を勉強しようと思ったのか? 3つ目の壁編

以下の3つが、私がU.S.CPA(米国公認会計士)の勉強を始めた理由なのですが、今回は3つ目の

  1. グローバルで通用し、かつ需要がある専門性が欲しかった
  2. 社内外で通用する肩書が欲しかった
  3. 中長期的に経営に近いフィールドで働くための、内的(知識)・外的(肩書)な取っ掛かりとしてちょうど良いと考えたから

について、ご説明します。

日々、忙しく、そして周りからキツくあたられながらも、営業として頑張っていた私ですが、営業を突き詰めれば、突き詰めるほど、「営業」というフィールドでしか物事を語れない自分にもどかしさを感じていました。そして、ある日そのことを象徴する出来事が起こりました。

とある年度末、私は受注予算が大幅に未達であり、未達分をカバーするために案件を必死に追いかけていました。そして、未達分をカバーできる新規のお客様向けの大口案件に狙いを定め、社内を必死に調整し、期末限定の特別価格を引き出しました。「新規のお客様向けだし、この案件を取れればこれから追加の注文ももらえるかも」くらいに考えていた私は、意気揚々と見積書を提出し、現地法人に期末までに注文もらうようお願い致しました。

しかし、見積書を出した後、現地法人の社長の方から「確かにこの価格であれば、恐らく受注できると思う。ただし、このお客さんは自分達が拠点を構えていない地域であり、機器を納入した後のアフターケアの手間・追加の人員の配置まで考えると、現地法人の経営の観点からでは旨味がない。この案件は、追いかけないことにするから理解してほしい」と電話がありました。

今、振り返ると単に私の読みが甘いだけではあるのですが、当時の私に、「営業」という観点での最適解が、「経営」という観点での最適解にならない、むしろマイナスになることもある、ということを強烈に擦り込んだ出来事でした。それ以来、「経営」というフィールドにとても興味を持ち、キャリアを寄せていきたいと考えるようになりました。

ですが、「経営」というフィールドで働くためには、財務会計管理会計ファイナンス ・IT・商法・税法等々の幅広い知識と経験が必要であり、単に営業職での経験では不十分であり、ギャップがあることも理解していました。

そこで、知識だけでも先行投資として学んでおこう!と思いたち、財務会計管理会計ファイナンス ・IT・商法・税法をある程度の深さと広さで、しかも英語で、学べるU.S.CPAに目をつけました。

今、全科目合格した後、振り返ると、日々勉強をする中で、会社を成り立たせている仕組をとても理解でき、間違いなく、勉強を始める前の自分と比べて、会社で起きる物事を俯瞰してかつ深く精度で観察できるようになりました。

個人的には、入社前・入社して2~3年の全若手ビジネスパーソンが勉強すべき内容だと思います。それくらい会社に属するビジネスパーソンにとって、前提として知っておくべき、普遍的知識がとても効率よく手に入ります。

また、営業職から「経営」に関する職種、例えば経営企画や事業企画、FP&A、コンサルタント(経営戦略分野)へのキャリアチェンジは一般的にとても難しいものです。そのため、「経営」に関する職種にキャリアチェンジするためには、何か自分の素質・適性をわかりやすく示せる「飛び道具」が必要になると考えました。そこで、転職サイトを覗いて、上記の職種の用件を色々みてみると、「MBAホルダー歓迎」という要件が一番多かったですが、その次くらいに「U.S.CPA尚可」という求人を多く見かけました。また、「(求められる仕事のタスクにもよるが)U.S.CPAの資格は十分キャリアチェンジのアピールになり得る」という見解を示すキャリアカウンセラーの方が多くおられました。

この事実から、「U.S.CPA(米国公認会計士)」という資格は、十分キャリアチェンジの飛び道具になりうると判断し、その判断がU.S.CPAの勉強を始める後押しになりました。

これが、3つ目の理由になります。エイヤーで飛びついた感は否めないですが、今では色々悩んで足を止めるより、飛びついて勉強を始めて本当に良かったと思っています。