U.S.CPA(米国公認会計士)科目別難易度

個人的なFAR・AUD・BEC・REGの難易度をご説明したいと思います。ちなみに、勉強を始める前の私の英語力・会計力は以下です。

英語力:TOEIC 900点オーバー (仕事で、読む・書く・聞く・話すは満遍なく使用)

会計・財務分野での経験:なし(新卒から営業職。簿記2級は学生時代に取得済)

難易度の表現は、学習のとっつきにくさと本試験での難しさを★(一番簡単)~★★★(一番難しい)で表現した上で、第四位(一番簡単)~第一位(一番難しい)で合格までの難易度をランキングしたいと思います。ちなみに、私の試験結果は↓になりますので、最終的にどういう点数を取ったかという点も踏まえて参考にしてもらえればと思います。

第四位 AUD

学習のとっつきにくさ:★★★

本試験での難しさ:★☆☆

個人的に一番優しかったのはAUDです。AUDは鬼門の方が多いイメージですが、個人的には一番総合的な難易度が低いと感じました。確かに、学習を始めた際は「監査」というものに馴染みがなく何をしたいのかよくわからなかったですし、「Present Fairly」等の全く馴染みのない監査用語に面食らって、最初はかなりとっつきにくかったです。ですが、とても論理が通った科目なので、勉強を進める毎・単語を覚える毎にに学習内容が加速度的に身についていきます。感覚としては、「ここではこういうこと必要になるよな?」という会計士マインド?的なものが身についてきて、「ここではこういう対応はしない」「ここではこういうことをするべき」という思いが出てきて、なんとなく答えが導き出せるようになります。 (地力としての英語力があるため、問題文で言ってることの意味が分かれば、計算問題がないので楽ということもあると大きく関係していると思います)

なので、英語力がある程度ある方や論理性を意識して覚えるのが得意な方にとっての難易度は下がると思います。逆に、英語が苦手な方や丸暗記が得意な方にとって難易度はかなり上がると思います。

第三位 REG

学習のとっつきにくさ:★★★

本試験での難しさ:★★☆

次に優しかったのが、REGです。REGは商法と税法から成り立っており、メインは税法になります。税法もアメリカの税法なので、恐らく一生使うことがなく、馴染みもなければ興味も湧かないので、モチベーションが一番わきませんでした。(例えば、個人住宅の売却益は250,000万ドルまで非課税とか覚えるんですが、知らんがなと。笑) また、REGについても、かなり見慣れない英単語がいっぱい出てきます。但し、テストで狙われる分野はかなり限られています。第一にBasisのところ、第二に所得税のところ。後は、有象無象です。なので、Basisと所得税のところをきっちりと押さえれば、試験で点数をとる分には意外と苦労しません。

計算問題も、FARに比べれば、単純な足し算・引き算で終わるため、計算に時間がかかって、試験時間に間に合わないなんてこともなかったです。モチベーションのところをうまくコントロールして、Basisと所得税を完璧に理解して、税金関係英単語をきちんと覚えれば苦労しない科目だと思います。

第二位 FAR

学習のとっつきにくさ:★★☆

本試験での難しさ:★★★

二番目に難しかったのが、FARです。正直いうと、FARとREGで大きな壁が2枚くらいあるイメージです。試験範囲の量と計算量の多さが難易度を引き揚げている感覚です。私は、簿記2級を持っていて、巷では「簿記1.5級」くらいの難易度、「簿記2級よりちょっと難しいくらい」なんて言われていますが、個人的には賛成できません。むしろ、「簿記2級クラスの知識は前提として持っていて、そこから改めて知識の広さと奥行きを広めていく」イメージです。FAR攻略の方法は、ひたすら問題をこなして、仕訳を体に叩き込むことです。私も、FARだけでノートを3冊ほど消費し、ボールペンが何本も空になるまで、問題演習を行いました。MC問題であれば、問題を見た瞬間に、仕訳の方向性が頭に浮かぶところまで到達する必要があると思います。それでも、試験本番は最後の5秒までみっちりと時間がかかりました。

AUD・REGも演習量は大事ですが、それよりも科目における単元ごとの繋がりの理解が大事なのに比べると、FARは圧倒的に演習量が合否の鍵になります。そういう意味では、努力が一番点数に反映されやすい素直な科目かなと思います。計算苦手・丸暗記得意タイプな方はかなり苦労する科目と思います。

第一位 BEC

学習のとっつきにくさ:★☆☆

本試験での難しさ:★★★★★★

個人的にダントツで難しかったのが、BECです。その理由は、単元ごとの理解を深めるのが難しいこととWCの存在です。BECは、管理会計ファイナンス ・経済学・IT・コーポレートガバナンス系のそれぞれ独立した単元が全て試験範囲です。勉強を始めると、それぞれの単元は割と面白く、かつ馴染みのなる内容なので、スッと入ってきます。が、試験で点数をとるとなると全然話が別になります。本試験では、それぞれの単元で、勉強したこともない内容が次々出てくるのです。(それらが採点対象だったかどうかはわかりませんが、他の科目の点数と比較して、BECだけ明らかに点数が低いので、全てが採点対象外だったということはないと思います) このBECだけは、アビタスの教科書だけでは、説明が不親切なところが多々あったので、ネットで調べて知識を補完しました。(ファイナンス 用語の解説や最新のIT事情など) また、他の科目は基本的に同じ単元の話になる(FARだとどの単元でも財務会計の話、AUDは監査、REGは商法と税法)ので、違う単元を勉強している時も、前やった単元のところに繋がり復習になる or 相互に関係していて理解が深まる、ということがあったのですが、BECはそんなことがありません。管理会計の話は管理会計の話であり、ITの話は一切出てきません。なので、意外と理解の定着に時間がかかります。

また、WCもかなり鬼門でした。WCは「英語」で「求められていることを正しく書く」のですが、この、「求められていることを正しく書く」ためには内容の正確な理解が必要になります。そのため、他の科目では、きちんと一言一句内容を覚えなくても、ざっくりと内容を覚えておけば、MCもTBS問題も解けます。ただし、BECでは「ざっくり」での内容理解では不十分で、それではWCできちんと説明文章が書けず、点数が取れません。つまり、BECだけ他の科目と比べても、一段深い内容の理解・記憶が必要になります。(英語が苦手な方は、ここに英文ライティングの壁も存在します) しかし、一段深い内容の理解・記憶が必要にもかかわらず、一つ一つの単元は深堀されない形で存在するので、本試験で点数をとるところまで見据えると、かなり学習が難しい構造になっていると感じました。

まとめると、BEC>>FAR>超えられない壁>REG>AUDという感じです。。あくまで、一個人が全科目の勉強を合格した後の感想で、世の中の総論とは、ずれている部分もあるかと思いますが、何かの参考になれば幸いです。

1点付け加えると、私はTOEIC900点オーバーなのですが、全科目で知らない単語がいっぱい出てきました。ただし、英文の読解で困ったことはありませんでした。なので、TOEC900点オーバーの方は、単語さえ覚えれば、この試験を通して、英文の読解で困ることはないかと思います。

私は、アビタスを利用していたのですが、基本的にはアビタスの教材をフル活用すれば、合格までたどり着けます。何か聞いてみたいことがあるという方は、お気軽にご連絡ください。また、入学を検討されている方は、ご連絡いただければ、アビタス入学金(10,000円+税)OFFになるクーポンを差し上げますので、お気軽にお声がけください。