U.S.CPA(米国公認会計士)おすすめ学習順序

FAR→AUD→BEC→REG

これが、私が考えるU.S.CPA(米国公認会計士)の最適な学習順序です。

他の方のブログやアビタスのおすすめを聞いても、一番最初にFARを持ってくること、一番最後にREGを持ってくることを予々仰られていますが、私も同意です。FARはU.S.CPAの学習における全ての基礎になり、学習内容的にも重いので、一番最初に持ってきて、合格してしまうのは理にかなっています。また、REGは、学習内容がFAR/AUD/BECとほとんど被らないので、最後に別枠として持ってくることをおすすめします。

2番目にAUDかBECのどちらを持ってくるのかが、意見が別れるポイントですが、ある程度英語力と論理性に自信がある方はAUDを持ってくることをおすすめします。その理由は2つです

[FAR⇄AUDの学習内容の結ぶつきが強い]

FAR⇄BECよりも、FAR⇄AUDの方が学習内容の結ぶつきが強いです。FARで財務諸表はどのように作成するのかを学び、AUDで作成された財務諸表が正しいかをチェックするかを学ぶ、という立て付けなので、AUDで学ぶ内容は随所でFARの知識が前提になっています。なので、FARの知識が鮮明なうちに、AUDに移った方がFARの学習内容がより生きてきます。また、AUDの本試験では「この財務諸表が正しいかチャックせよ」という「これ、もはやFARじゃないか?」という、PLやBSの再計算問題が出ました。そういう意味でも、FARの次に持ってくる方がお得だと思います。一方、FAR⇄BECでは、ROEなどの財務関連指標の計算以外、あまり関わってくるところはありません。むしろ、BEC⇄AUDの方が、内部統制のところがモロかぶりかつそこから派生するコーポレートガバナンス・ERMにも共通するので、結ぶつきが強いです。その意味でも、FAR→AUD→BECの方が、学習内容を無駄なく繋げられます。

[AUDは英文読解力+監査のストーリーを理解すれば楽]

ある程度、英語力に自信があり、論理重視の理解が得意な方であれば、間違いなくAUDの問題の方が解きやすいです。理由は、暗記する内容が少ないのと計算問題が全くないからです。BECは内容のざっくり理解では、WCでボロが出るので、細かくかつ言葉で説明できるくらいまで、きちんと覚えておく必要があります。一方、AUDではそこまで細かい暗記は不要です。例えば、「売掛金に対するValuationのアサーションをテストしているのはどれか?」という質問があった時、これは答えを暗記しておくべきということではなく、「売掛金のValuationが正しい=支払い能力のある顧客に対して品物を出荷しているかということ=品物を顧客に出荷する前に、支払い能力のある顧客かどうかを与信審査及び掛け売りの承認を社内で得ているか」となり、「与信審査と掛け売りの統制のチェック」が答えになります。暗記は最小限で、それよりも、「監査」というフィールドで求められるプロセス・マインドの理解、流れを繋げられているかが問われます。そのため、英語力があり、論理性を意識される方であれば、一度内容をインプットできれば、スラスラ問題が解けるので、間違いなくさらっと合格できます。逆に、英語力に不安があり、丸暗記が得意な方であれば、問題はひたすら読解ばっかりで、内容的にも経理・監査に近いところで働いていない限り、ピンと来ず、覚えにくいかと思うので、かなり苦戦すると思います。ただ、どちらのタイプでも、FARとの内容の結びつきから二科目目にすることをおすすめします。英語力・論理力に自信がある方は、さくっと受かって折り返して、勢いつけて3科目目に突入できます。英語力・論理力に自信のない方は、ここで受かっておけば後で楽になります。逆に後回しにすると、後半で手こずって科目失効の可能性が出てきます。科目失効がちらつき出すと、焦るので、これまた逆効果です。どうしても、不安のある方は、時間がかかるかもしれませんが、FAR・AUDをセットで勉強する方が精神衛生上、良いかもしれせん。

もちろんベストな学習順序は人によると思いますが、参考にしてもらえればと思います。